ここでは、NASA、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)、国内関連機関などが発表した、週間(前週金曜日~今週木曜日)の主要な科学記事を掲載しています。国内記事を除きリンク先は英文です。人名・地名・機器の名前などの固有名詞の“日本語読み”には誤りがあるかもしれません。

<2月13日(金)>
  1. NASA、二つの地球システム探査ミッションを選定

    木曜日に発表された2つの次世代衛星ミッションは、NASAが地球をよりよく理解し、環境現象の予見や災害緩和能力の向上に役立つ。

    STRIVE(赤外線垂直分解光探査機を用いた成層圏対流圏レスポンス)ミッションは、毎日、ほぼ地球規模の高解像度で温度、地球のさまざまな大気元素、そして上層対流圏から中圏までのエアロゾル特性を測定し、これまでのどのミッションよりもはるかに高い空間密度で測定する。また、オゾン層の回収を理解するために必要な垂直プロファイルや微量ガスの測定も行う。

    EDGE(地球ダイナミクス測地探査機)ミッションは、陸上生態系の三次元構造や氷河、氷床、海氷の地表地形を観測する。このミッションは、NASAのICESat-2(氷、雲、陸地標高衛星2号)およびGEDI(グローバル生態系ダイナミクス調査)によって現在宇宙から記録されている測定を超える進歩をもたらす。

    <ひとこと>: 以上、要点のみ。大判はイメージのリンクから。

  2. キューブサットのミッション開始

    NASAの宇宙飛行士クリス・ウィリアムズは、国際宇宙ステーションのきぼう実験モジュールの小型衛星軌道展開装置によって、キューブサットが船外に展開されるのを見た。メキシコ、イタリア、タイ、マレーシア、日本の学生達が、地球観測と技術デモンストレーションのシリーズのために、この箱型の衛星をデザインした。

    キューブサットはナノ・サテライトの一種で、標準的なサイズとフォームを持つ小型宇宙船であり、重量は1〜10キログラムである。キューブサットの開発は独自の産業へと発展し、政府、産業界、学界が協力してますます高まる能力を追求している。キューブサットは現在、科学調査、新技術実証、高度なミッションコンセプトのためのコスト効率の良いプラットフォームを提供している。

    <ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<2月6日(金)>
  1. IMAP 主要な科学ミッションを開始  (IMAP)

    NASAのIMAP((Interstellar Mapping and Acceleration Probe:星間マッピング加速度探査機)は、2月1日に、2年間にわたる主要な科学ミッションを開始し、太陽系を包む太陽風によって作られる保護バブルであるヘリオスフィアの境界を探査・マッピングした。

    2025年9月24日に打上げられたこのミッションは、太陽由来の高エネルギー粒子から惑星間空間の磁場、爆発した恒星から星間空間に残るダストに至るまで、宇宙で渦巻くものを包括的に描写するために、10の科学機器に依存している。

    <ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

  2. 星間彗星の明るさを追う(SPHEREx)

    NASAのSPHERExミッションは、2025年12月に、赤外線で星間彗星3I/ATLASを観測し、太陽系を通過する3つ目の同種の天体について、収集した豊富な情報プールをさらに増やした。

    新しい研究ノートでは、ミッションの科学者達が、メタノール、シアン化物、メタンなどの有機分子の検出について説明している。地球上では、有機分子は生物学的プロセスの基盤であるが、非生物学的なプロセスによっても作られることがある。研究者達は、また、氷の天体が太陽に最も近い距離を通過してから2か月後に、明るさが劇的に増加したことにも注目している。これは、この彗星が、水、二酸化炭素、一酸化炭素を、宇宙に放出する現象に関連している。

    <ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<1月30日(金)>
  1. ヨーロッパの次世代気象衛星、最初のイメージを送り返す  (MTG-S)

    メテオサット第3世代サウンダー(MTG-S)からのイメージが、地球表面から約36,000 km上空の静止軌道から見た地球の全円盤画像を示している。これらのイメージは、2025年11月15日に衛星の赤外線サウンダー機器によって撮影された。

    下の「温度」のイメージでは、赤外線サウンダーが長波赤外線チャネルを使用して、地球の表面温度と雲の頂上の温度を測定した。濃い赤は主に暖かい陸地の表面での高温を示し、青は雲の上部の気温が低いことを示している。

    予想された通り、このイメージで最も暖かい(濃い赤色)地域はアフリカや南アメリカ大陸にある。イメージの上部中央には、西アフリカの海岸線が濃い赤ではっきりと見え、セネガルの首都ダカールがあるカーボベルデ半島がこのイメージの中で最も暖かい地域の一つとして見えている。右下には、ナミビアと南アフリカの西海岸も赤色で、冷たい雲の渦の下に青色で描かれ、ブラジル北東海岸は左側に濃い赤色で示されている。

    <ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

  2. NASAの望遠鏡、初期宇宙に驚くほど成熟した星団を発見  (Chandra)

    新たな発見が、宇宙で最大級の構造の一つである銀河団が、ビッグバンからわずか10億年後に集まり始めたという宇宙的な瞬間を捉えている。これは、これまで考えられていたよりも10億年から20億年も早い。この結果は、NASAのチャンドラX線天文台とジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を用いて得られ、宇宙最大の構造物がいつどのように形成されたのかを再考するきっかけとなるだろう。この発見は、水曜日にネイチャー誌に発表された論文で説明されている。

    この天体は「JWST先進深部銀河外調査(JADES)」にあることからJADES-ID1と呼ばれ、太陽の約20兆倍の質量を持っている。天文学者達は、JADES-ID1が現在初期の激しい形成段階にあり、いずれは銀河団に変貌するために「原始銀河団」と分類している。しかし、JADES-ID1は、天文学者達が予想していたよりもはるかに遠い距離、つまり宇宙のはるかに古い時代に相当する場所で発見されており、なぜこれほど急速に形成されたのかという新たな謎が残っている。

    <ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

  3. チャンドラとウェッブ、きらめく光をとらえる  (Chandra)

    2025年12月22日に撮影されたNASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によるピスミス24のイメージに、チャンドラのデータによる、赤、緑、青のきらめく光が追加されている。ピスミス24は、さそり座の地球から約5,500光年にある近隣のロブスター星雲の核にある若い星団である。活気ある恒星の育児所があり、巨大な星の誕生地の一つである。ピスミス24は巨大な星に関する稀有な洞察を提供している。この地域は、若い星の特性や進化を探るのに最適な場所の一つである。

    <ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

  4. NASAのTESS、科学観測に復帰  (TESS)

    NASAの系外惑星探査衛星TESSが1月15日にセーフモードに入り、1月18日に通常の科学運用に復帰した。

    運用チームは、TESSが目標に向けて旋回したものの、太陽パネルが太陽に向けて回転しなかったことから問題が生じたと判断した。太陽電池アレイの太陽から外れた角度によってTESSのバッテリーの放電が遅くなった。衛星は低電力状態を検知した後、セーフモードに入った。

    セーフモードの時点で、TESSは彗星3I/ATLASの1週間の観測を行っており、1月18日に観測を再開した。TESSのデータは、ミクルスキ宇宙望遠鏡のアーカイブを通じて公開されている。

    <ひとこと>: イメージはありません。

  5. TESS、彗星3I/ATLASを再観測  (TESS)

    NASAのTESSが、1月15日から22日までの特別観測中に、星間彗星3I/ATLASを観測した。科学者達はこのデータを用いて彗星の活動と自転を研究している。

    1月15日と18日から19日までのTESSデータを用いて、尾のある明るい動く点として示した一連のイメージが、短い動画にまとめられた。

    彗星の明るさは見かけの等級で約11.5で、人間の肉眼で見るものの約100倍暗い。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は動画 .mp4 です。

  6. 系外惑星370個を発見したAIモデル、今TESSデータを掘り下げる  (TESS)

    科学者達は、いわゆる系外惑星を6,000以上発見している。これらの惑星の半数以上は、NASAの退役したケプラー探査ミッションや現在のTESS(トランジット系外惑星探査衛星)ミッションのデータのおかげで発見された。しかし、これらのミッションからの膨大なデータの中には、まだ発見されていない多くの惑星が存在している。二つのミッションのデータはNASAのアーカイブで公開されており、世界中の多くのチームがそのデータを活用して様々な技術を用いて新しい惑星を発見している。

    2021年、エイムズ研究センターのチームが、人工知能(AI)を用いてケプラーのデータから370個の新しい系外惑星を検証するオープンソースソフトウェア「ExoMiner」を開発した。現在、チームはケプラーとTESSの両方のデータで訓練された新しいモデル「ExoMiner++」を開発した。この新しいアルゴリズムは、TESSの初回の実行で7,000個の系外惑星候補を特定した。

    <ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

  7. NASA、地球の水の源として、月の隕石のレゴリスを発見

    NASAによるアポロ月面土壌に関する新たな研究が、月の隕石の衝突の記録と水の供給タイミングを明らかにした。これらの発見は、隕石が地球の歴史の後期にどれほどの水を供給できたかの上限を示している。

    これまでの研究では、隕石が太陽系の初期に地球を襲い、地球の水の重要な供給源であった可能性が示されている。火曜日に米国科学アカデミー紀要に発表された論文で、NASAジョンソン宇宙センターと月惑星研究所(LPI)の研究者達は、月面を覆う砂塵の破片を解析する新しい方法であるレゴリスを使った。彼らは、緩やかな仮定のもとでさえ、約40億年前からの隕石の運搬は、地球の水のごく一部しか供給できなかったことを学んだ。

    月は、地球と月のシステムが、数十億年にわたって経験してきた衝突の歴史を記した古代のアーカイブとして機能している。地球の動的な地殻や気象がそうした記録を消し去る一方で、月のサンプルはそれらを保存している。しかし、これらの記録は決して無条件ではなく、伝統的なレゴリスの研究方法では、金属などの元素の分析に依存してきた。

    <ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

  8. 発見警報:氷のように冷たい地球?

    地球に非常に似ている可能性のある候補惑星HD 137010 bには、一つ大きな違いがある。それは、火星よりも寒い、永遠に凍りついた可能性があることである。

    科学者達は、2018年に退役したNASAのケプラー宇宙望遠鏡で収集されたデータを引き続き掘り下げており、驚きの発見を続けている。新しい論文では、地球よりやや大きい岩石惑星が、約146光年離れた太陽のような恒星の周りを公転している可能性がある。

    この惑星の公転周期は、さらなる確認が待つ「候補」として記載されており、地球と同じ約1年程度になる見込みである。惑星HD 137010 bは、その恒星の「ハビタブルゾーン」の外縁、すなわち適切な大気下で惑星表面に液体の水が形成される軌道距離のすぐ内側に位置する可能性もある。

    <ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

  9. NASAの追悼の日2026

    2026年1月22日木曜日にバージニア州アーリントンのアーリントン国立墓地で行われたNASA追悼の日の一環として行われたリース献花式の際に、スペースシャトル・チャレンジャー記念碑が見られる。宇宙探査の探求で命を落とした男女を追悼してリースが献上された。

    毎年1月、NASAは探査と発見の発展のために命を落としたNASAファミリーのメンバーを称えるために立ち止まる。その中にはアポロ1号やスペースシャトルのチャレンジャー号およびコロンビア号の乗組員も含まれる。我々は、彼らの人生、勇気、人類宇宙飛行への貢献を称える。

    <ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<1月23日(金)>
  1. NASAの月面ミッションのアルテミスIIロケットが発射台に到着

    東部標準時間1月17日土曜日午後6時42分、NASAのアルテミスII SLS(宇宙打上システム)ロケットとオリオン宇宙船が、フロリダ州ケネディ宇宙センターの機体組立ビル(VAB)から約12時間の移動を経て、発射台39Bに到着した。

    数時間前、NASAのクローラー・トランスポータ2号は、統合SLSとオリオンを上に積み重ねて、4マイルの旅を始めた。最大速度わずか0.82マイルで移動し、クローラーは、そびえ立つ月ロケットと宇宙船をゆっくりと確実に発射台へと運んだ。

    VABのハイベイドアを出ると、ロケットは計画された一時停止を行い、チームがクルーアクセスアーム(打ち上げ日に宇宙飛行士やクローズアウトクルーがオリオンにアクセスするためのブリッジ)を再配置できるようにした。

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<1月16日(金)>
  1. NASA最新の惑星観測衛星打上げ

    NASAの小型衛星パンドラを搭載したスペースXのファルコン9ロケットが、1月11日(日)午前5時44分(PST)に、カリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地のスペースローンチコンプレックス4イーストから打上げられた。

    パンドラに加え、このロケットには、NASAが支援する2基のキューブサット、SPARCS(スター・プラネット・アクティビティ・リサーチ・キューブサット)とブラックキャット(ブラックホール開口望遠鏡)を含む数十基の衛星を搭載している。NASAの小型衛星パンドラは低軌道への打上げ準備を進めており、系外惑星の大気とその恒星を調査する予定である。

    パンドラは、NASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、ケプラー、TESS(トランジティング系外惑星調査衛星)などのミッションでこれまで発見された少なくとも20の系外惑星とそのホスト星を調査する。パンドラの観測が、惑星の大気に、霞、雲、水が含まれているのか、あるいはそれらの物質の信号が星から来ているのかを判定する。

    パンドラが収集したデータは、ウェッブからの測定値や今後のミッションの解釈に役立つ。

    NASAが支援するキューブサット2基がパンドラやその他の商業ペイロードとともに打ち上げられる。1つ目はアリゾナ州立大学テンピ校が主導するNASAのSPARCS(スター・プラネット活動研究キューブサット)、2つ目はペンシルベニア州立大学ユニバーシティパークで製造・運用されるブラックキャット(ブラックホール符号付き開口望遠鏡)で、NASAの天体物理学研究解析プログラムの資金提供を受けている。

    <ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

  2. IMAPミッション、目的地に到達

    NASAのIMAP(星間マッピング加速探査機)は、1月10日に地球から太陽に向かって約100万マイル離れたラグランジュ点1(L1)に到達した。

    ミッションの運用チームは1月9日朝、L1で軌道に入るための軌道操作を開始するよう宇宙船に指令を送った。1月10日早朝、チームは宇宙船が最終軌道L1に無事進入したことを確認し、ミッション期間中はL1軌道に留まる予定である。

    IMAPは、L1から、太陽系全体を包み込む太陽風によって作られる保護バブルであるヘリオスフィアの境界そのものを探査・マッピングし、ヘリオスフィアがその先の銀河近傍とどのように相互作用するかを調査する。

    現代の天体地図製作者として、IMAPは、惑星間空間の多様な粒子を探求・図表化し、太陽からの荷電粒子のエネルギー化と太陽風と星間空間の境界における相互作用という、太陽物理学における最も重要な二つの課題を調査する。加えて、IMAPの太陽風や高エネルギー粒子のリアルタイム観測は、宇宙船や人間にとって悪影響を軽減するための重要なデータを提供する。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は動画 .mp4 です。

  3. キャラザース・ジオコロナ天文台、目標軌道に到達

    NASAのキャラザーズ・ジオコロナ天文台(Carruthers Geocorona Observatory)は目標軌道に到達し、地球の外層大気であるジオコロナからの紫外線の輝きの初の繰り返し観測を捉える位置に着いた。

    この成果は、1月8日に行われた3回目で最後の軌道機動、2分間の点火によって確認された。この宇宙船は現在、地球から約100万マイル離れた重力バランスの位置であるL1ラグランジュ点の周りを回る予定のハロー軌道に入った。この宇宙船は、2025年9月24日に、ケネディ宇宙センタから打上げられた。

    キャラザースは広視野画像装置と狭視野画像装置の2台のカメラを使って、地球の最も外層の大気層から放たれる紫外線の光である地球のジオコロナを、これまでに撮影した中で最も詳細な画像を捉える。

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  4. 軌道上での四半世紀:地球とその先の生命を形作る科学

    人類は、25年以上にわたって、国際宇宙ステーションで継続的に生活し、調査を行い、地球上の生命を変革し、探査の未来を形作っている。食料の栽培やDNAの配列決定から、病気の研究、火星ミッションのシミュレーションに至るまで、軌道上の実験室でのあらゆる実験は、人類が地球を超えて繁栄し、世界中の人々に利益をもたらす科学技術を進歩させる方法の理解を深めている。

    宇宙ステーションは、地球上では得られない実験室を科学者達に提供する。微小重力下では、細胞は三次元で成長し、タンパク質はより高品質な結晶を形成し、生物学的システムは重力によって隠された詳細を明らかにする。これらの疾患は、病気の研究や治療法の開発に新たな方法をもたらす。

    宇宙飛行士や研究者達は、軌道上の実験室を使ってがん細胞の成長を観察し、薬物送達方法を検証し、パーキンソン病やアルツハイマー病などの疾患に関連するタンパク質構造を調査してきた。その一例がAngiex Cancer Therapyの研究で、腫瘍に栄養を供給する血管を標的とする薬剤を試験した。微小重力下では、内皮細胞がより長く生き残り、人間の体内に近い振る舞いをすることで、研究者達は、治療の仕組みや安全性について、人間による試験の前により明確に理解できる。

    <ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

  5. トンボリフトに飛行を与える

    NASAのドラゴンフライミッションは、土星の衛星タイタンを探査するために自動車サイズのロータークラフトを送り込み、前例のない科学的発見の旅に出る。この初のプロジェクトの、国内でも最先端の宇宙シミュレーションおよび試験研究所のいくつかで、野心的な探査ビジョンを実現するための作業が進んでいる。

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  6. 極小の銀河にも衝突の痕跡?矮小銀河の外側に広がる星のしるし

    すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラで、天の川銀河の衛星銀河の周辺に広がる暗い星々を探した結果、これまで知られていなかった新しい構造が発見されました。この構造は、銀河同士の衝突や合体の痕跡と似通った特徴を持ちます。非常に小さな矮小銀河でも銀河衝突が起きていた可能性を示す重要な手がかりです。

    天の川銀河の周囲には、古くから重力にとらえられて回り続ける小さな衛星銀河が数多く存在します。こうした矮小銀河は宇宙初期に生まれた「銀河の化石」ともいえる存在で、その構造を調べることで銀河がどのように成長してきたのかを知ることができます。従来、矮小銀河のような小規模な銀河は、ガスの流入や内部での星形成といった比較的単純な過程で形成されると考えられ、銀河同士の衝突や合体はほとんど起きないとみなされてきました。しかし近年、欧州宇宙機関のガイア衛星の観測により、一部の矮小銀河で本来の広がり(潮汐半径)を超えて星が分布している例が見つかり注目を集めています。一方、ガイアでは比較的明るい赤色巨星しか捉えられず、外側に広がる暗い星の分布を詳しく調べることは困難でした。そのため、外側の構造が天の川銀河の潮汐力によって後から引き伸ばされたものなのか、過去の銀河合体によって形成された、矮小銀河固有の構造なのかは、判断できていませんでした。

    <ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<1月9日(金)>
  1. チャンドラ、新年をシャンパンクラスターと共に迎える

    チャンドラX線天文台と光学望遠鏡から撮られたこの新しいイメージに見られる銀河団は、新年を祝う「シャンパン集団」である。

    この銀河団は2020年12月31日に発見された。この日付と、銀河の泡のような外観、そしてチャンドラ観測で見られた超高温ガス(紫色で表記)が相まって、天文学者達は、この銀河団に「シャンパン集団(Champagne Cluster)」というニックネームを付けた。公式にはRM J130558.9+263048.4である。

    <ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

  2. 数十年かけて制作されたチャンドラによる超新星の残骸の映像

    この新しい映像は、チャンドラX線天文台から、25年以上にわたって収集されたデータを用いて、ケプラーの超新星の残骸の進化が示されている。

    ケプラーの超新星の残骸は、ドイツの天文学者ヨハネス・ケプラーにちなんで名付けられ、1604年に夜空で初めて目撃された。今日、天文学者達は、白色矮星が伴星から物質を引き出したり、別の白色矮星と合体したりして臨界質量を超えたときに爆発したことを知っている。この種の超新星はタイプIaと呼ばれ、科学者達は宇宙の膨張を測定するために利用している。

    超新星の残骸は、恒星の爆発後に残る破片の帯であり、爆風によって物質が数百万度にも加熱されたためにX線光で強く輝くことが多い。その残骸は地球から約17,000光年離れた銀河システムにあり、チャンドラは、破片の詳細な画像と時間とともに、変化する様子を撮影することができた。この最新のビデオには、2000年、2004年、2006年、2014年、2025年のX線データが含まれている。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は動画 .mp4 です。

  3. 銀河の抱擁

    NASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の中赤外線データ(白、灰色、赤)とチャンドラX線天文台のX線データ(青)が、2025年12月1日に公開された衝突する渦巻銀河の写真に集まっている。この2つは数百万年前に互いにすれ違った。数十億年後、一つの銀河に融合するだろう。

    <ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

  4. IXPE、初めて白色矮星を測定

    科学者達は、初めて、NASAのIXPE(イメージングX線偏光探査機)を使って白色矮星を調査した。IXPE独自のX線偏光能力を使った天文学者達は、中間極EXハイドレイ(intermediate polar EX Hydrae)と呼ばれる星を観測し、エネルギー連星システムの幾何学的構造を解明した。

    2024年、IXPEは、地球から約200光年離れたヒドラ座の白色矮星システムEXハイドラーに約1週間を費やした。その結果に関する論文がAstrophysical Journalに掲載された。ケンブリッジのマサチューセッツ工科大学を拠点とする天体物理学の研究科学者達が主導し、アイオワ大学、イーストテネシー州立大学、リエージュ大学、エンブリーリドル航空大学の共著者も参加した。

    この白色矮星は、星が核で融合する水素燃料が尽きた後に発生するが、核崩壊による超新星として爆発するほどの質量は存在しない。残るものは非常に密度が高く、地球とほぼ同じ直径で、質量は太陽と同等である。

    EXハイドラーは主系列星を持つ連星系にあり、そこからガスが絶えず白色矮星に降り注いでいる。白色矮星がどのようにこの物質を蓄積し、どこに到達するかは、白色矮星の磁場の強さに依存する。

    <ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

  5. 115億光年かなたに"巨大渦巻銀河"を発見(ALMA:国立天文台)

    名古屋大学の研究者らは、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡とアルマ望遠鏡による観測から、115億年前の初期宇宙に存在した「モンスター銀河」が、高速で回転する巨大な渦巻銀河であることを突き止めた。この銀河は、水素ガスのネットワーク「宇宙網」から大量のガスを取り込み、星を生み出す原材料と回転の勢いを得ていると考えられます。

    宇宙の初期には、天の川銀河の数百倍から数千倍という爆発的なペースで星を生み出す銀河、通称「モンスター銀河」が存在していました。こうした銀河では猛烈な星形成活動によって大量の塵(ダスト)が生じ、星の光を遮ってしまいます。そのため、銀河の構造や、なぜ活発な星形成が起きているのかは、これまで十分に理解されていませんでした。

    名古屋大学大学院理学研究科の梅畑豪紀特任助教(高等研究院 YLC教員)を筆頭に、国立天文台ALMAプロジェクトの研究者も参加する国際共同研究チームは、約115億年前の宇宙で銀河が集まった原始銀河団にあるモンスター銀河「ADF22.A1」を、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)とアルマ望遠鏡を用いて高解像度で観測しました。

    JWSTは、塵による減光の影響が比較的少ない近中間赤外線で星からの放射をとらえることができます。アルマ望遠鏡は、紫外線を吸収して暖められた塵が放つミリ波・サブミリ波を検出することで、塵に隠された星形成活動を明らかにします。さらに冷たい分子や原子ガスの分布や運動状態を調べることもできます。今回の観測により、星と星間物質(ガス、塵)の両方の面からこれまで隠されていたモンスター銀河の姿を明らかにしました。

    <ひとこと>: 詳細は国立天文台のサイト(表題のリンク)から。



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