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<イメージの説明>: 約80万個の銀河を含むこのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のイメージには、青色で表されたダークマターの図が重ねられている。研究者達は、ウェッブのデータを使って、通常の物質に対する重力の影響を通してこの不可視の物質を特定した。
ウェッブ望遠鏡の前例のない感度によって、科学者達は、ダークマターが、星や銀河さらには地球のような惑星に与える影響についてより深く学んでいる。 NASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のデータを用いる科学者達は、これまでに作成された中でも最も詳細かつ高解像度のダークマター・マップの一つを作成した。それは、この目に見えない幽霊のような物質が、「通常」物質つまり星や銀河など我々が見ることができる全てを構成する物質と重なり合い、絡み合っている様子を示している。 1月26日に公開された 『ネイチャー・アストロノミー』 では、このマップは、これまでの研究を基にして、ダークマターが、宇宙を最大スケールすなわち数百万光年にわたる銀河団でどのように形作ってきたかについて、さらなる裏付けと新たな詳細を提供している。これらの星団は、最終的に、銀河、星、地球のような惑星の誕生につながっている。
ダークマターは光を放ったり反射したり吸収したり遮ったりせずに、普通の物質を幽霊のように通過する。しかし、重力を通して宇宙と相互作用しており、このマップはそれを新たな鮮明さで示している。この相互作用の証拠はダークマターと通常物質の重なりの度合いにある。論文の著者達によれば、ウェッブの観測は、この緊密な整列が偶然ではなく、宇宙の歴史を通じてダークマターの重力が通常物質を引き寄せていることを裏付けている。 何千もの銀河が集まる大きな銀河団が見える所では、同じ場所に同じくらい大量のダークマターも見られ、そのうち二つのクラスターをつなぐ細い通常の物質の列を見ると、暗黒物質の列も見える。形が同じだけじゃなく、このマップは、ダークマターと通常の物質が常に同じ場所にあったことを示していると研究者達は言う。
詳しく見てみよう ウェッブはこの領域を合計約255時間観察し、約80万個の銀河を特定し、そのうちいくつかは初めて検出された。研究者達は、ダークマターの質量が空間自体をどのように曲げるかを観察し、それが遠方の銀河から地球へ伝わる光の曲げを観察した。 ウェッブのマップには地上の観測が作成した銀河の約10倍、ハッブルのマップの2倍の銀河が含まれている。新たなダークマターの塊を明らかにし、以前ハッブル観測領域の高解像度の映像を捉えている。 多くの銀河までの距離を精密に測定するために、チームは、ウェッブの中赤外線機器(MIRI)や他の宇宙・地上望遠鏡を使った。MIRIが検出する波長は、宇宙のダストの雲に隠れた銀河の検出にも優れている。
なぜ重要なのか このようにして、ダークマターは、宇宙における銀河の大規模な分布を決定した。また、銀河や恒星の形成が本来より早く始まることを促すことで、ダークマターの影響は、最終的に惑星が形成される条件をも果たした。これは、最初の星の世代が、初期の宇宙の原子の大部分を占めていた水素とヘリウムを、現在の地球のような惑星を構成する豊かな元素群へと変えたからである。言い換えれば、ダークマターは、複雑な惑星が形成される時間を長く提供した。 このマップは、ダークマターがなければ、生命を可能にした元素が銀河に存在しなかったかもしれないというより強い証拠を提供している。ダークマターは地球上でも太陽系でも日常的に出会うものではないが、確実に我々に影響を与えている。 研究者達は、NASAの予定するナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡で、この領域の4,400倍の広さの領域にわたってダークマターのマッピングを行う。その主な科学的目標は、ダークマターの基本的な性質と、それらが宇宙の歴史の中でどのように変化したか、あるいは変わらなかったかについて学ぶことである。しかし、ローマンのマップは、ウェッブの空間解像度には敵わない。ダークマターをより詳細に観察するには、NASAの次世代天体物理学の旗艦コンセプトであるハビタブル・ワールド天文台のような次世代の望遠鏡によってのみ可能となる。
Jan 26, 2026 |
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